2012年03月27日

開示会計を学ぶ:<演習問題編>第12回「会計帳簿から3つの法定開示書類の作成の流れの演習」


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         ■ 公認会計士 児玉厚 ■
          ブログ〜開示会計を学ぶ〜
             【演習問題】
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平成24年3月26日(月曜日)


● 今週の「開示川柳」へのプロローグ


 3月決算直前に入った。

 もうじき花見の季節になる。

 でも、経理の方も監査法人の会計士も蚊帳の外である。

 監査法人のリストラが進み、会計士試験合格者が就職出来ない時代が
続いている。 残念ながら、「資格の時代の終焉」が近い。

 先日、監査法人の代表社員がこう話していた。

「監査報酬が下がる中、監査日数は増やさなければならない状況にあり、
監査法人経営はますます難しくなる。」

 経理の方も、数値に係る問題がみんな降りかかる。
また、監査対応に多くの時間が取られる。
でも、経理人員の増員は図られない。

 経理の方も監査法人の会計士も、本来のプロとしての業務からは程遠い
業務に忙殺されている矛盾を感じている。

 経理の現場、監査の現場から離れて久しいが、以下私見として
「今後のあるべき監査人と経理の方との関係」について考えて見たい。


続きは編集後記にて、、、

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● 今週の開示実務演習の考察
  : <演習問題編>第12回
「会計帳簿から3つの法定開示書類の作成の流れの演習」

参考文献:「有価証券報告書完全作成ガイド」(清文社)

● 今週の「開示川柳」
 
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● 今週の開示実務演習の考察
  <演習問題編>第12回
「会計帳簿から3つの法定開示書類の作成の流れの演習」

参考文献:「有価証券報告書完全作成ガイド」(清文社)


【作問目的】

1.有価証券報告書の売上高の金額は、一取引までブレイクダウンできなければ
  ならない。本来は、開示元帳があればその履歴が把握できる。
  今回の演習では、開示業務の「組替」「計算」「転記」「照合」の関係を
  「開示仕訳」を用いて学習する。

2.法定開示書類は、「会社法の事業報告、計算書類、各附属明細書並びに
  連結計算書類」、「決算短信」及び「有価証券報告書」の3つから構成される。

 「試算表」から「3つの個別開示書類」の作成、試算表から連結精算表を
 作成し、「3つの連結開示書類」の作成のプロセスを理解する。

3.試算表の数値が動いた時に、3つの法定開示書類の数値をどのように修正
 すべきかを理解する。


<初級編、中級編、上級編>
 下記よりダウンロードして下さい。

問題編
1.「問題編のURL」
http://yosankaikei.otoku21.info/12.03.26mondai.text12.kaijikaikei.pdf


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 「開示書類作成理論が世の中に存在していないこと」
 「公正な開示書類作成実務教育を一緒に創造していくこと」
 等より、
 問題や演習についての疑問点・誤りの指摘等のご助言については
 遠慮なくメールいただければ幸いです。
 また、開示実務に携わる皆様からの問題・解答の投稿も是非
 よろしくお願いします。


● 今週の「開示川柳」


 3月決算直前に入った。

 もうじき花見の季節になる。

 でも、経理の方も監査法人の会計士も蚊帳の外である。

 監査法人のリストラが進み、会計士試験合格者が就職出来ない時代が
続いている。 残念ながら、「資格の時代の終焉」が近い。

 先日、監査法人の代表社員がこう話していた。

「監査報酬が下がる中、監査日数は増やさなければならない状況にあり、
監査法人経営はますます難しくなる。」

 経理の方も、数値に係る問題がみんな降りかかる。
また、監査対応に多くの時間が取られる。
でも、経理人員の増員は図られない。

 経理の方も監査法人の会計士も、本来のプロとしての業務からは程遠い
業務に忙殺されている矛盾を感じている。

 経理の現場、監査の現場から離れて久しいが、以下私見として
「今後のあるべき監査人と経理の方との関係」について考えて見たい。

 新日本監査法人の創始者の一人である太田哲三先生は
常にこう言っていたそうだ。

 「監査はパーソナルだ!」

 今の監査は組織的監査で、審査部門が実質コントロールしている
状況であり、対照的だ。

 監査の質が高いか否かは、「誰が監査を行うか」にかかっている
というのが本質だろう。

 個人的には、クライアントの経理の方の評価をベースとした
監査を行う会計士の格付けを行ってゆくことがあっても良いのでは
ないかと思う。

 うちの監査法人には格付Aの会計士が何人いる。
 その会計士は高い報酬を得られる。
 
 監査報酬についてはいつも疑問に思う。

 「監査時間がかかればかかるほど、監査報酬が上がるというのは何故
 なのか?」「プロが監査すれば短い時間で質の高い監査ができるの
 ではないか。」「レベルが低い会計士が監査すればいたずらに長い
 時間がかかるのではないか。」

 上場会社の経理の方から何回か同じ話を聞いたことがある。

 「監査は毎年新人ばかり大勢来て、毎年同じ基本的な質問をしてくので、
 ホントに頭にくる。経理が監査法人の新人のトレーニング支援をして
 いる。この役務提供部分は監査報酬と相殺してほしい。・・・」

 この点については、会計教育そのものにも原因があるのではないか
と思う。

 例えば、簿記論で「3月10日、A商品を100千円で販売した。」という
 設問に対して、会計処理を求める。

 でも、こんな「文章」は実務には存在しない。

 例えば、下記の様な実践問題を解く訓練をするべきではないかと思う。

実践問題

「下記の証憑に基づき、会計処理を行いなさい。」

 @ 経理規程(売上計上基準)
 A 売買契約書
 B 出荷通知書
 C 納品書
 D 検収書
 E 請求書

 「基礎証憑は何で、そこからどう判断して会計処理するか」という
訓練がなされていない。

 監査人の能力として、「発見的能力」は重要だ。


 30年近く前だが、鉄鋼商社の経理に入った。

 初めて国税調査に立ち会った。特別調査官チームが来ていた。

 10畳近くの会議室に証憑が積み込まれたダンボールが並んだ。

児玉  :「会計伝票や元帳は用意しないんですか?」

経理課長:「調査官は経理の判断の入った会計記録は信用していないんだ。
      だから、原資証憑しか見ないんだ。」

 国税調査官は、証憑ファイルをもの凄い早いスピ−ドで閲覧し、問題の
箇所に付箋(ふせん)を貼ってゆく。

 その付箋(ふせん)の取引について、取引担当者呼んで、直接質問
する。経理部門からは一切聞かない。

 営業マンが緊張して、入って来る。
 国税調査官はニコッと笑って、雑談から始めて、こう切り出す。

「私、この分野、素人なのでよくわからないので、基本的な点教えて
いただけますか?・・・・」
 もちろん、実際にはプロで精通している。
 反面調査をすでに完了している場合もある。

 営業マンはついつい乗せられて、正直にしゃべってしまう。

 「この質問力って、凄いな。」と思った。

 もちろん国税調査と監査は目的が違うが、調査手続の本質は
同じだと思う。

 監査は英語で「Audit」だが、その語源は「聴く」という
点だ。

 監査人としてプロか否かは、この「質問力」によると思う。


 上場会社の若い経理の方とお会いすると、
ほんとうに高度な人格と実践的問題解決能力を持っている方が多く、
「本当に優秀だな。こういう人達がCFOになって行くんだろうな。」
と思う。

 もし、こういう経理の方が監査したら、「いい監査するだろうな?」
とも思う。

 上場会社の経理実務経験5年以上の方は、簡易試験で「会計士」になれる
ようになった方が良いのではないかと思う。

 監査法人の会計士と上場会社の経理の方の間のローテーション化が
進むと、共に成長し、より信頼できるパートナーシップが構築されて
行くのではないかと思う。


<今週の開示川柳>



「Audit 聞くからわかる 監査かな 」


【有価証券報告書作成演習の評価コメント例】


(例:会計コンサル会社の方のコメント)

@問題はポイントを絞った簡素なものなので解きやすかった。
A問題ごとに解説が付いているのが秀逸だと思った。
  類書がいくつかあるが、これらには十分な解説がないので。
B問題ごとに「私見」があり、これが分かりやすく参考になった。
Cそれぞれの問題のポイントを紙1枚にまとめたサマリがあればと
感じた。

(例:経理管理者の方のコメント)

特に感じたことは、学習の仕方として、理論を講義や本を読んで
学習するのではなく、繰り返し演習することで理解させていくと
いう方法をとられていることについては、非常に良い方法である
と感じました。
  実際、会社でもOJTが一番身に付く方法であることは明白ですし、
担当できない場合でもOJTに近い形で学習させるのが有効であると
思います。

(例:上場会社CFOの方のコメント)

「何とすごい(=実務に役立つ)練習問題だこと」



<メッセージ>
 自転車に乗れるようになるのに、
本を読んで乗れるようになった人はいないでしょう。
 反復の練習により、ある日乗れるようになったはずだと思います。
 開示業務も同じはないでしょうか。

 違う点は、開示業務は法令改正等で「自転車の型」がどんどん
変わって行く点です。

 開示書類は公表されるものなので、1箇所でも間違えることが
許されません。(訂正の防止)
 完全な理解を常に追及することが求められます。

 しかし、経理の方に本当に求められる能力は、経営者が期待する
「問題解決能力・判断力」でしょう。
従って、開示業務を他の経理スタッフへ移管し、進捗を管理する
ようになっていかなければなりません。

その為には、「共通理解のための教育基盤」が必須と考えます。

 皆さんと一緒に、新たな公正開示実務慣行を創って行ければ
と思っています。

下記の点、遠慮なくメールでご質問下さい。

 ・問題のご評価
 ・不明点
 ・改善すべき点
 ・問題のアイディア
 ・開示業務の悩み
 ・開示川柳のアイディア
 ・その他


【関連新刊書籍】

 予算キャッシュ・フロー計算書の作成過程を演習形式で解説した
新刊書籍出版予定(3月30日)。

「予算会計」(清文社)
著者  会計士・税理士 児玉 厚・海崎雅子
価額:2,400円(税抜)

「はじめに」抜粋
http://yosankaikei.otoku21.info/2012.3yosankaikei.hajimeni.seibunsya.pdf
       ↓
<上場会社のCFOからのコメント例>

お言葉で100%同感、心に刺さりました。
@ 経理に本当に求められるのは「問題解決能力・判断力」
A 経営者は「過去」ではなく、99%「将来」の方向を向いている。
 (中堅以降の「経理屋」さんは、「過去」の正確な記帳・処理
  だけの呪縛から、的確に「将来」を考える割合の多さが能力の差)
B 「経営者」「経理」「会計専門家」の「夢のトライアングル」



メルマガ「予算会計を学ぶ」で割引購入のご案内やご質問への対応・演習講座予定。
http://yosankaikei.blog.fc2.com/


                     公認会計士 児玉 厚


posted by 児玉厚 at 02:15 | Comment(0) | 法定開示書類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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