2012年02月26日

<演習問題編>第8回「過年度遡及修正:会計方針の変更(その1)【演習問題8】」

● 今週の開示実務演習の考察
  :<演習問題編>第8回「過年度遡及修正:会計方針の変更(その1)【演習問題8】」
  ※参考文献「有価証券報告書完全作成ガイド」(清文社)
  

テーマは、個別財務諸表の過年度遡及修正:会計方針の変更(その1)です。

下記より問題をダウンロードして下さい。
http://yosankaikei.otoku21.info/12.02.27mondai.text8.kaijikaikei.pdf

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● 今週の「開示川柳」

 平成24 年1月15日、日本公認会計士協会から
「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」
の公開草案が公表された。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1593.html

 3月本決算において、もし過去の不適切な会計処理が発見されたとしたら、
決算スケジュールに大きな影響を及ぼす。

 上場会社は、通常の有価証券報告書等の提出期限後、1か月以内に有価証券
報告書の提出ができない場合、上場廃止事由に該当する(東証有価証券上場規
程第601 条第1項第10 号等)。

 第三者委員会等による調査には通常1カ月から1カ月半はかかると言われている
ので、定時株主総会の開催スケジュールにも大きな影響を及ぼす可能性がある。

 株主総会においては、延期又は続行の決議をすることができる(会社法第
317 条)。
 延期というのは、総会の成立後、議事に入らないで、別途の会日に変更す
ることをいい、続行とは、議事に入った後、審議を一時中断して別途の会日
に継続することをいう。別途の会日に開催される株主総会は一般的に、それ
ぞれ、延会、継続会と呼ばれている。
 会社は、不適切な会計処理が発覚すると、定時総会の招集通知発送までに
計算書類等の作成が間に合わなくなることも想定される。その場合、延会・
継続会を開催して対応する場合があるという。


<3月決算会社で過去の不適切な会計処理が発見された場合
の決算スケジュール例>

3月31日   決算日

4月30日   計算書類等の監査人へ提出

      ★「過去の不適切な会計処理の発見」

      取引所・財務局と事前相談

      短信発表延期のプレスリリ−ス

      第三者調査員会組成・調査(1カ月間)
      プレスリリース

6月15日   招集通知発送延期
      監査法人監査実施

7月上旬  印刷等デッドライン

7月15日  招集通知発送

7月31日 (延会又は継続会)株主総会
      有価証券報告書提出

 机上としてはイメージできるが、もし本当にやるとしたら
 大混乱であり、信用失墜も測り知れないことになるだろう。

 裏返すと、過去の誤謬の訂正についての本決算中の対応は
絶対にしてはならないということになると思う。

 私見だが、過年度遡及修正対応の事前化にあたっては
下記の点が重要だと思う。

@ 異常点をシステムで自動的に発見する仕組みの強化
A 特別損益項目の月次管理強化
B ローテーションの強化
C 実践的な会計スキル向上の仕組みの強化
D 過去の開示基礎データの一元管理
E 過年度遡及修正マニュアルの作成・管理

 ただ、上記の草案は、Eの過年度遡及修正対応のマニュアル作成する
上では極めて重要になると考える。


<今週の開示川柳>
「もし遡及 決算中なら 大地震」



posted by 児玉厚 at 23:30 | Comment(0) | 過年度遡及修正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月20日

開示会計メルマガ:<演習問題&解答編>第7回「個別財務諸表&科目内訳【演習問題7】」

● 今週の開示実務演習の考察
  :第7回「個別財務諸表&科目内訳→【演習問題7】」

  ※参考文献「有価証券報告書完全作成ガイド」(清文社)

テーマは、個別財務諸表の附属明細表と主な資産及び負債の内容の演習です。

問題は下記よりダウンロードして下さい。
http://yosankaikei.otoku21.info/12.02.20mondai.text7.kaijikaikei.pdf

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● 今週の「開示川柳」

 「開示会計を学ぶ」メルマガに先行して、昨年の9月より「予算会計を学ぶ」メルマガをスタートしている。
 「他社は予算編成実務をどうしているのか」「予算編成実務において何が課題で、どんな対応をしているのか」について、
予算会計メルマガ読者の経理実務者間で共有して行こうという活動を今月から始めています。

 予算会計メルマガ読者で、開示会計メルマガ読者でもある監査法人にお勤めの会計士の方から、次のようなコメントをいただきました。

(メルマガ読者)
: 予算編成について今まで悩んだ点ですが、「販売見込みについていかに経営者から情報を引き出すか」という点でした。
 減損や税効果の監査では将来の予算を作ってもらう必要がある訳ですが、1年程度ならあるけど3年後までの中期経営計画は作っていない会社が結構ありました。
 その際、3年後はどうなっているかを予想して欲しいと言っても、毎年売上は大きく変動し、「3年後のことなんか分からない。」「とにかく営業を入れて売りまくれば売上は上がる。」「景気の良し悪しによる。」ということで分からないことが多いように思いました。
 おそらくそれでこれまで何となくやってこれたのかもしれませんし、こちらのコミュニケーション不足なんだろうと思いますが、いかに経営者が3年後の会社をどうしていたいかを引き出すか、いつも悩みます。
 会計士は予算を見ることはあっても、一から作ったことはないので、自分でさっさと作れればいいのですが、ノウハウもなく、スキルのなさを痛感しています。(以上)

ブログ「予算会計を学ぶ」http://yosankaikei.blog.fc2.com/

 上記のメルマガ読者様のコメントは重要な点を示唆しているように思う。

 一つ目は、有価証券報告書には、減損評価や繰延税金資産の回収可能性等の「予測」概念が多く含まれているという点だ。
 有価証券報告書の財務諸表の正確性は、「予測がいかに正確か」に依存している。
 IFRSは、「将来キャッシュ・フローの予測に資する」という点を重視しているので、「予測」概念の範囲は広がって行く。

 二つ目は、経営者にとって、経済環境の変化が激しいので、特に売上予測が難しい。

 三つ目は、監査における経営者アプローチは最も重要な手続である。
特に「事業の将来予測の見通しとその客観性評価」が重要だが、「予測の客観性評価」が実際には難しい。
 裏を返せば、有価証券報告書の財務諸表の正確性が歪められるリスクがあるということになる。

 上記3点より、次の点が重要ではないかと考える。

 予算や中期経営計画の策定が正しいか否かは誰も評価することはできない。

 しかし、「予算や中期経営計画の策定が会社のルールに従って行われているか」は客観的に評価することができる。

 会社側は、「予算売上高をどのように策定するか?」「予算利益をどのように策定するのか?」「業績予想の売上高や利益をどのように
策定するのか?」等についての「ルール・マニュアル(予算等ルール)」を確立する。経営者もこのルールに従う。

 例えば、全くの私見だが、下記のようなルールを確立する。

 1.経営者より、下記の点をヒアリングする。
  @ 予算等のあるべきシナリオ
  A 予算等が狂う具体的なリスクと対応シナリオ
  B @Aを前提とした最も悲観的なシナリオ
  C @Aを前提とした場合の最も確率の高いシナリオ

 2.経営企画担当は、過去の「予算歩留率」・差異原因の推移をまとめる。
  「予算歩留率」等加味して、具体的な戦略と具体的なデータを基礎として予算等を策定する。

  予算歩留率=実績数値÷予算数値×100%

  予算歩留率が高ければ高いほど、予算の信頼性が高いことになる。

 上記のようなルールに従って、中期経営計画および次期予算を策定し、実行し、評価し、是正するというPDCAサイクルにより、予算精度を
上げて行く。

 監査人は、予算等ルールに従って中期経営計画および次期予算が策定されているかを監査する。(私見)

 IFRS時代の公正な有価証券報告書作成実務を考えて行く上で、「予算編成のルール」は極めて重要になるだろう。

 特に、「キャッシュ・フロー予算」はキーになると思う。


<今週の開示川柳>

    「IFRSや 予算監査が 鍵となる」


posted by 児玉厚 at 00:47 | Comment(0) | 個別財務諸表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月13日

<演習問題>第6回「タスク1&3:個別財務諸表&科目内訳【演習問題6】」

● 今週の開示実務演習の考察
  :第6回「個別財務諸表&科目内訳→【演習問題6】」
  ※「有価証券報告書完全作成ガイド」(清文社)

 テーマは、個別財務諸表の製造原価明細書と販売費及び一般管理費注記の
基本理論と表示方法変更等演習です。

下記より問題をダウンロードしてください。
  http://yosankaikei.otoku21.info/12.02.13mondai.text6.kaijikaikei.pdf

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● 今週の「開示川柳」

 セミナー資料作成のために、
過去の誤謬の訂正の第1号の事例の研究として、平成23年12月26日、JASDAQに上場する
株式会社メガネスーパー(4月決算)が公表した「棚卸資産の過去の修正及び過年度決算修正の可能性について」を読んでみた。

 学ぶべきところが非常に多い内容だ。

 債務超過の見込みが困難な状況にある中で、棚卸資産の誤謬を世の中に公表するつらさ、正月をはさんで、訂正短信14本、訂正報告書12本及び訂正内部報告書を作成するという想像を絶する苦労を思うと、本当に頭が下がる。

 棚卸資産の評価システムを便宜上、上場時の入出庫システムで代用したが、社内在庫移動も仕入と認識し、過大計上が発生。
 商品担当部門が現品確認をしていなかったことも原因。
 想像するに、業績低迷の中、いかに利益を上げるかが重要で、内部統制がおろそかになっていたのだろう。


 大学を卒業し、鉄鋼商社の経理に配属された。当時、鉄鋼不況のど真ん中だった。給料は他の企業より安く、危ないグレーゾーンの取引も多かった。
 でも今振り替えると、問題のない優良な会社で経理を行うより、問題のある危ない会社で経理を行う方が多くの修羅場の経験ができ、「生きた経理力」が身につくと思う。

 鉄鋼商社を辞めて、会計士試験を受験している時代、書籍を読んで良かったと思うことはなかったが、一冊だけ「いい本だな」と思う本に出会った。

 「利潤計算原理」(著者 岩田厳)<同文館>だ。

 冒頭の出だしは、著者が一ツ橋大学のゼミ生の時の会話から始まる。

 著者:「先生。会計って何ですか?」

先生:「会計とは、計と計を突き合わせることだよ。」
著者は馬鹿にされたと思って、怒った。

でも、会計の勉強を重ねるにつれ、
「なるほど、会計は計と計を突き合わせることだな」と悟る。

「2つの突き合わせがある。
 一つは、帳簿の計と帳簿の計の突き合わせだ。
 例えば、総勘定元帳(商品)の帳簿計と商品在庫表の帳簿計を突き合わせることだ。」

「もう一つは、帳簿の計と実在計の突き合わせだ。
 商品在庫表の帳簿計と商品実地棚卸表の実在計を突き合わせることだ。」

上記の2つの計と計の突き合わせはまさに「会計」であり、「監査の本質」でもある。
 
 異常点を発見できる能力は、この本質をいかに深く理解しているかにかかっている。

 そして、その本質を理解している経理マンが棚卸資産評価システムに「どういうプログラムを盛り込めば異常点を発見できるか」という思想で検証プログラムを組み込むことが重要だ。

また、経理マンは現場に足を運び、ヒアリングをし、人間関係を構築し、「事後経理」から「事前経理(事前に相談を受けて、対応を図る)」へ変えて行くことが重要だと思う。


<今週の開示川柳>
「 会計は 計と計の 突き合わせ」
posted by 児玉厚 at 07:14 | Comment(0) | 個別財務諸表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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